移調
kanakoe
移調とは?
移調とは、曲の調(キー)を別の調に変えることです。
たとえば、Cメジャー(ハ長調)の曲をDメジャー(ニ長調)に変えると、すべての音が全音上がることになります。
目的
移調にはいくつかの目的があります:
- 歌いやすくするため
→ 歌手の声の高さに合わせてキーを上下させる。 - 楽器の特性に合わせるため
→ たとえばサックスなどの移調楽器に合わせる場合。 - 雰囲気を変えるため
→ 同じメロディでもキーが変わると印象も変わります。
例
| 元のキー | 移調後 | 音の変化 |
|---|---|---|
| Cメジャー(ド) | Dメジャー(レ) | 全音上がる |
| Cメジャー(ド) | B♭メジャー | 全音下がる |
ピアノで弾くと、全体を高くしたり低くしたりする感じになります。
キーボードの「移調機能」とは?
電子キーボードや電子ピアノには、ほとんどの場合「TRANSPOSE(トランスポーズ)」という機能がついています。
これは、弾く鍵盤の位置はそのままに、出てくる音の高さだけを変える機能です。
どういうこと?
例えば:
- 曲がDメジャーだけど、Cメジャーのポジションで弾きたい場合。
- キーボードの「TRANSPOSE」を +2 に設定します。
すると、鍵盤では「ド・レ・ミ」と弾いても、実際には「レ・ミ・ファ♯」の音が出ます。
つまり、移調した状態で弾けるということです。
使い方(一般的な手順)
機種によって異なりますが、基本は以下のような流れです:
- 「TRANSPOSE」ボタンを押す(または「FUNCTION」メニュー内で選択)
- + / – ボタンまたはダイヤルで半音単位に設定する
→ +1 は半音上、+2 は全音上
→ -1 は半音下、-2 は全音下 - 設定を確定する
(例)
キーをC→Dにしたい場合は、TRANSPOSE +2
キーをC→B♭にしたい場合は、TRANSPOSE -2
注意点
- 表示される楽譜のキーは変わりません。あくまで「出てくる音」が変わるだけです。
- 他の楽器と一緒に演奏するときは、移調設定に注意しましょう(他の人と音がずれてしまうことがあります)。
- MIDIや録音データでは、移調設定も記録されることがあります。
補足
「移調」は耳のトレーニングにもなります。
自分で手で移調してみると、コード進行の仕組みやスケール感覚が自然と身につきます。
特にジャズやポップスを弾く人は、いろいろなキーで弾けるようにすることがとても役立ちます。